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筆記試験の思い出 しぶちょー(機械)

(春山)

はい そしたらですね次の方、しぶちょーさん。

私からの紹介は省かせていただきますね。

じゃあお任せします、よろしくお願いします。

 

(しぶちょー)

はい、よろしくお願いします。

今日ちょうど、技術士試験対策のセミナーで講師をしまして

それで50分ぐらい話したら喉がガラガラになってしまいまして・・・

だいぶ喉ガラガラの状態でやらせてもらいます。

 

ただいま紹介に預かりました、しぶちょーと申します。

よろしくお願いします。

 

まずは簡単に自己紹介させていただくと、私は機械メーカーに勤める技術者です。普段は工作機械と呼ばれる産業機械の新製品開発に従事してます。入社から10年間、機械設計として働いてきまして、一昨年にAIやIoT技術関連の研究開発部署に異動して、いまは情報技術系のことをやってます。その傍ら、個人活動として技術ブログやTwitterなどで技術情報の発信を行ってます。

 

 

令和4年度の技術士第二試験に合格して、技術士となりました。

部門は機械部門です。受験時の選択科目は機械設計で受けました。

 

 

今回のトークテーマは「筆記試験の思い出」ということで、広いテーマなので何を話そうがすごく迷ったんですが・・・私からは

 

「本番で実力を出すためのメンタルコントロール術」

 

という話をしたいと思います。ちょっと怪しいセミナーっぽいですが、壺とかは売らないので安心して聞いてください。なんでこのテーマにしようと思ったかというと

 

技術士第二字試験は、論文マラソンなんて言われてますが、マラソンだけあってメンタルも非常に重要です。昨年、受験した際の試験中に「めっちゃ心が揺さぶられるな」と思いました。もちろん試験に集中はしているけど、試験中には色々な感情が渦巻くわけです。やべぇという焦り、ちょれえという驕り、シンプルな疲れ、もう無理だという諦め などなどさまざまです。自分との戦いです。

 

試験に向けた勉強、これはもちろん大切なんですが

 

「準備してきた力を本番で発揮するための準備」

 

これもまた非常に重要なわけです。ざっくりいえば、当日のコンディション作りですね。皆さん、毎日時間を作って勉強しているわけですから、当然確実に実力を出せた方がいいに決まってます。だから、今日は、私の昨年の受験を振り返ったとき、これやっといてよかったなーとか、これしておけけばよかったかなーって思ったことを「思い出」として語りたいと思います。

 

 

まず、やっといてよかったなーと思ったことから。1つ目。

 

1. トイレのシミュレーション

 いきなりトイレの話で申し訳ないんですけど、これ重要だと思うんですよね。技術士試験は、午前中は2時間、午後は3時間半ぶっ続けで試験を受けるわけですが、当然トイレ休憩はありません。別にトイレはいけるけど、シンプルに時間のロスになります。かといってトイレ我慢しながら、試験なんてとてもじゃないですけどできません。

 

だからこそ、事前準備が大切です。具体的には試験時間である10時~12時、13時~16時30分、この時間にはトイレに行かないような生活をし続けて、バイオリズムを整えとくのが良いです。

 

僕は結構、水をがぶがぶ飲むので、トイレに行く回数が結構多いんですが、試験の2週間前からは、試験時間にトイレに行かない生活をして、体にリズムを染み込ませました。これが功を奏して、トイレ問題はまったくなかったです。

 

やっといてよかったこと。2つ目。 

 

2. 朝食と昼食を決めておく

 朝と昼に食べるものは、事前に決めておいて、試験の2週間前からはずっと同じものを食べ続けるという事をやりました。食べ物によって、自分の頭の働き方とか体調の感じが微妙に変わるので、絶対に同じコンディションが試験当日に作れるように食べ物を変化させないことを心がけました。まぁ、いささか極端ですけどね。

 

特に昼飯は重要ですね、試験当日は試験の間に昼食を食べるわけですから、当日にスムーズに入手できるものがベターです。ちなみに私は、ウイダーインゼリー2つに、果汁グミ(ブドウ味)を食べてました。

 

やっといてよかったこと。3つ目。

 

3. 服装を決めておく

試験当日に着る服は、事前に決めておいた方がいいです。模試を受けるのであれば、本番と同じ服装で行った方がよいですね。長時間座って、字を書いていると、靴の蒸れ、とか服の袖がこすれる感じ、とか細かいところが気になってくる場合があります。んなもん、気にならないって人もいると思いますが、集中力が切れてくると意外とこういうどうでもいいところが気になるもんです。なるべくストレスにならない服を事前に選定しておきましょう。

 

 

やっといてよかったこと。4つ目。

 

4. 瞑想

です。急に話の路線が変わるんですが、瞑想をやっておいた方がいいです。俗にいう「マインドフルネス瞑想」ってやつです。意識高い系の人々の間で非常に流行っている行為ですが、御多分に洩れず私も意識の高い行いが好きなので、結構前から習慣的に一日中10分から15分、瞑想をするようにしてました。これがね、技術士試験の本番にかなり役に立ちました。

 

マインドフルネス瞑想って、ざっくりいうと腹式呼吸でリラックスして、頭の中を空っぽにする行為なんですけど、これがかなり深いリラックス状態を作り出せます。まあ、深呼吸の上位互換って感じです。

 

瞑想を日々、続けてると座っている状態で腹式呼吸するだけで、心をスッと落ち着かせることができるようになります。この技が、試験最中に乱れた心を落ち着かせるのに非常に役に立ちました。例えば、論文の骨子が思いつかなくて焦って心が乱れたとき、一回腹式呼吸するだけで、気持ちをリセットすることができるようになります。更に、頭もすっきりして新しい観点や切り口が見つけやすくなります。

 

ぶっちゃけ瞑想じゃなくてもいいんですけど、とりあえず「外からの刺激でメンタルをコントロールする準備」をしておいた方がいいってことです。これをやれば強制的に落ち着く、みたいな条件反射を自分の中に作っておくってことです。別に、シャープペンで腕を突き刺すみたいなバイオレンスな方法でもいいですけどね、きつけ見たいな。ただ、あんまり動きがあるのもは周りの受験者の迷惑になりますからね、怖いし。呼吸で整えるマインドフルネス瞑想が、一番オススメです。

 

次は、やっとけばよかったものです。一つ目は

 

1. 手首のトレーニング

これは、言わずもがなですが、試験では手が疲れます。後半は筆圧が落ちてきて、上手く字が書けなくなってきます。私は対策として濃さの違うシャープペンを準備して、筆圧に合わせて変えるようにはしてましたが、そもそも手首を鍛えておけばよかったなと、思いました。

 

皆さんが今からトレーニングするのは手首傷めたりすると試験に関わるので、辞めた方が良いですが、どれだけ疲れるかは体験した方が良いので、模試を受けるか、自分で通しで回答を作ると良いと思います。緊張感もあるので、個人的には模試がオススメです。

 

やっとけばよかったもの、二つ目は

 

2. 前泊

試験会場は、電車で40分くらいのところだったので、特に前泊はせずに受けたのですが、運悪く一番大事なモノを失いました。それは、睡眠時間です。私は2歳と4歳の子供がいるんですけど、いつもはそんなことないのに試験前日に限って、同時多発的に2人とも夜泣きしたんですね。寝かしつけるのに、夜中までかかってしまい、前日はほとんど寝れなかったです。

こんだけ一生懸命コンディションを作ってきたのに、そりゃないぜーと思いましたが、まあ後の祭りですね。小さな子供がいるご家庭は、奥さんに頭下げて、前泊した方が良いかもしれません。

まあ、こんな感じですね。ついでに、試験中に心が乱れたシーンを3つ紹介したいと思います。

 

1つ目は、必須科目の手応えの良さです。午前中の必須科目が結構よく書けて「これはいけただろ」って思ったんですが、不思議なんですけどその瞬間から、午後の選択科目に対してものすごいプレッシャーを感じるようになりました。

午後は外せないぞ、みたいな守りの感覚ですかね。スポーツとかでも、試合開始直後に点取っちゃうと、なんかこの点を守らなきゃってプレッシャーを感じしますよね。それと同じ感覚でした。難しいかもしれませんが、試験中に出来の良し悪しを考えない方がいいですね。

 

心が乱れたシーンの2つ目は、得意すぎる問題です。選択科目IIー1で、自分の専門領域の問題が出たんですね。具体的には、工作機械に関する問題です。私は工作機械の専門家なので、よっしゃーという感じで水を得た魚のように喜んで飛びついたんですが、これが・・・意外と書けないんですよね。選択科目IIー1なんで600字の1枚問題なんですが、知りすぎているが故に全然文章がまとまらないんですね。

今となって問題を見返すと、他の問題に上手くまとめられそうな問題があったんですが、その時は自分の専門領域の問題が出たことに心が躍って、ノータイムでその問題を選んでしまいました。問題を選ぶとき、一呼吸おいて全体を見渡すことが大切ですね。

 

 心が乱れたシーンの最後は、文字数が全然足りなかったことです。選択科目3の3枚目の4行くらいで、論述が終わってしまいました。スペースあるけど、もう書くことない。あと、以上を書くだけ、みたいな。しかも試験はあと20分 しかない。めっちゃ焦りますよね。もう最後なので、ある意味吹っ切れて、いったん瞑想して冷静になったのち、「最後に」という題目を作って、残りのスペースにその問題のテーマに対する自分の想いを書きました。これからどうしていきたい、こういう風に変えていきたい、みたいなパッションの話です。

 

結果としては、合格できたので最後まで諦めないことが大切だなと思いました。

今日の話をまとめると・・・

 

・ 準備してきた力を本番で発揮するための準備

・最後の1秒まで諦めず、パッションをぶつけましょう

 

をしましょう。ということです。

 

最後にですが、ぜひとも自信をもって試験に挑んでください

 

技術士試験は、技術士にしてもらうための試験ではないと思います。自分が技術士足りえることを見せつける試験です。どうだ、俺は技術士にふさわしいだろ、という確固たる自信をもって挑んでください。

あと、前に技術士のススメで話をさせてもらった時にも言ったのですが、とにかく楽しんでください。こんな過酷な試験を受けるだけで、皆さんは偉いんです。変態なんです。どんだけ勉強しても不安がある気持ちは非常に分かりますが、それも含めて全てを楽しんでください。応援しています。以上です、ありがとうございます。

 

(春山)

しぶちょーさんの話の中でものすごく大事な話がありましたね。「自分が技術士足り得ることを見せつける」っていう部分ですが、本当にその通りだと思います。めちゃくちゃ大事です。ただ、なかなかそこまでの自信を持て居ない人も沢山いますし、私も受験したときはそうでした。だけど、私の受験当時、既に技術士だった方から「あなたは技術士になるだけの能力をもっている、だからあとは受験して受かるだけですよ」と言われて、ハッとしました。技術士第二次試験はその試験を受けるだけでも関門がありますよね、一次試験とか7年の実務経験とか。そういう経験を経て、ようやく二次試験に挑めるわけです。つまり、技術士二次試験を受ける時点で「技術士になるために必要十分な条件は揃っていて、あとはそれを見せつけるだけ」なんです。受験当時、そういうことを技術士の方に教えていただいて、それから自信を持つことができました。

 

しぶちょーさんの話の中にもありましたが、二次試験を受ける時点で、もうあなたは素晴らしい経験と知識を持っているということです。その点については、しっかりと自信をもっていいと思います。これでいいのかな?って不安は続くと思いますが、当日はもう書くしかないわけですから、技術士になったつもりで書く。そういう気持ちで臨んで欲しいと思います。

 

 

他にも質問もあるんですけど、その前にちょっと1つ

マインドフルネスとか瞑想の話があったじゃないですか。

これもすごく大事です。

 

私は昔、剣道をやってたんですけど練習の後に「黙想」っていうのをやるんです。

瞑想と黙想は違って、黙想は目を閉じて、呼吸を落ちつけながらその日にやったことを振り返るんですね。今日はあれをやったな、この練習はこうだったな・・・そんな感じで自分の中で振り返って反省する感じです。その日に行ったことを振り返って思いを馳せるわけですけど、瞑想はちょっと違うんです。黙想のようにあれこれ思いを馳せるわけじゃなくて、瞑想では一つのことに自分の中で集中する時間を作るわけです。黙想と瞑想の違いを理解しておかないと、試験中に目を閉じて考え直すと色々と考えた取っ散らかってしまいます。そこは注意が必要ですね。

 

(しぶちょー)

その通りですね。瞑想に概要や目的を正しく理解して、事前に慣らしておく必要があると思いいます。YOUTUBEにも情報は落ちてますので、それを見ながら瞑想のトレーニングをしてもらうとかそういった準備が大切です。当日にいきなり、瞑想やってみようってのは無理があるので、当日を見越して事前にそういう「気持ちを整理して落ち着かせる所作」を準備しておくと良いよって話でした。

 

(春山)

瞑想ってのは、一つのことに一点集中してそれの答えを見いだす手法なので、試験において重要だと思います。黙想が駄目という話ではなくて、勉強したことや取り組んできたことに思いを馳せて、どうだったかな?と考える時間も必要です。ただ、黙想だけで終わってしまうと、頭の中が散らかったまま、何を書いているのかわからなくなりますから(笑)そうならないように、しっかり意識することが大切かなと思いました。

 

あとですねー、

全体を通じて感じたのは、「トイレに行く」とか「朝食・昼食を決める」とか「服装を決める」とか・・・結局のところ、『判断することを減らす』ってことだと思ったんですが、どですか?

 

(しぶちょー)

1日に判断できる回数には限界がある・・・なんて話もよく聞きますよね。仰る通りで、試験当日は、試験に対して自分の全リソースを注ぎ込めるように、なるべく無駄な判断をしない方が良いと思います。そのための事前準備が重要ですね。それと個人的な話になりますが、私は体調を崩しやすいので同じコンディションを維持したいという点からも事前に食べるものなどを決めて慣らしておくという事に取り組みました。試験当日の判断回数を少しでも減らすこと、コンディション作りの2つの意味で本日話したような内容に取り組んでました。

 

試験当日に、「昼飯は何食べようかなー」って考えてたらやっぱり勿体ないですよね。お昼はウィダーインゼリーでいいんです、一択です。ラーメンとか食べてる場合じゃないですよ、ほんと。食べ物でその日の頭の回転は全然変わりますからねー。

 

去年の試験の会場で、「お昼ラーメン行くー?」みたいに話している人がいて驚きました。マジか、今からラーメン食って、また会場にもどってくるのか!と驚愕しましたね(笑)

 

 

(春山)

私も試験当日はウィダーインゼリー食べましたね、食べたっていうかそういう類のものが一番いいかなと思います。あと、ブドウ糖とかも重要ですね。人それぞれだと思いますが、ラーメンは試験が終わってからご褒美として食べてもらった方が良いですね。

 

色々と為になるお話、ありがとうございました。

 

以上

 

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